北タイにおけるホスピスの必要性

◇北タイにおけるホスピスの必要性◇
                          
文責 : よっちゃん
 
ホスピスの語源は、ラテン語の「暖かいもてなし」です。
 
中世初期に発したホスピスは巡礼者、旅行者、貧困者、病人などを歓待する

家として、西欧の主要都市に分布していました。ホスピスが末期のケアに対し

て使われるようになったのは19世紀のことです。

現在では末期癌などの患者をケアする施設の意味と、ケアそのものを意味するようになっています。

私の生地は出羽三山の一つ、月山の中腹にあります。

神道の聖地ですから、今でも神道による儀式が執り行われています。

母は86歳で亡くなりましたが、祭壇に飾られた団子の色は真白でした。

「生」に未練を残して死んだ人の団子は黒く、諦観して死んだ人のそれは白いと言い伝えられています。

母は永年、パーキンソン氏病に悩まされました。

75歳の頃だったでしょうか、死の恐怖を口にしたことがあります。

それが、死ぬ時には諦観していたとすれば、

病気による肉体的、精神的な苦しみから逃れたかったからだろうと思っています。

私が少しでも母の苦しみを和らげることができたかは、大いに疑問です。

死は誰にでも訪れるものですが、生きている時はまだまだ先のことと考えるのが普通です。

しかし、癌などに罹って死期を宣告されたら、どうでしょうか。

自分の死を真正面から見つめることになりますから、認識も大きく変わると思います。

ましてや、まだ健康に自信がある人は大きなショックを受けることになるでしょう。

ホスピスは、こうした患者の肉体的、精神的な痛みと、家族の心配や経済的な不安をケアするのが目的です。

医療では扱わない分野といえると思います。

医学の発達もあって、日本人の寿命は延び続けています。

それに比例する形で癌患者の数も増え続けています。

当地の日本人ロングステイヤーの中にも、癌で亡くなった方や、

そのために帰国した人が少なくありません。

故国を離れた地で死に行く人に寄り添い、

心身の痛みを和らげる心あるボランティアが必要だと思います。

先日、西欧人による「ランナーケアネット」の「高齢者ケアの実際」と題するセミナーがありました。

その中で、カール氏は自身が癌に冒された経験を活かして

Cancer connect というグループをつくり、ケアをしていると話していました。

支援の対象となる癌患者の半数は末期癌で死亡しているそうです。

西欧人は、キリスト教という精神的支えがある人も多いでしょうが、

日本人は無宗教が大多数です。

患者さんは人と話すだけでも大きな安らぎとなるのではないでしょうか。

ボランティアとして、買物の代行や話し相手になる。

そして患者本人と医者の間を取り持つなど、様々な面で支援できれば、

患者本人や家族の助けになることは勿論のこと、

ボランティア自身も活動を通して人生について多くのものを学ぶことができると思います。

次回は、そうしたボランティア活動の具体化について考えてみたいと思います。


SCCニュース第6号より


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