タマパコーン国立老人ホーム60周年記念祭

◇タマパコーン国立老人ホーム60周年記念祭◇ 

去る10月1日、

タイ国営チェンマイ・タマパコーン社会福祉開発センター(老人ホーム)の

60周年記念式典が同施設で挙行されました。

この施設は、堀沿いの内側道路のチェンマイ門とターぺー門の中間に在ります。

身寄りの無い高齢者が対象の施設で、健常者棟と介護棟があり、

入居希望者が多くウエイティング状態です。

現在約100人の高齢者の人達が入居されています。

国の施設ですが、政府の補助金だけでは賄いきれず、北タイ地域の人達からの奉仕により支えられています。

記念祭には、北タイ地域から若い人達から高齢者まで約1,000人近い人達が参加しました。

食品を届けたり、散髪やマッサージやその他の

ボランティア活動をしている一般の人達、

医療、治療、薬剤、看護、芸術関連を勉強している高校、大学生等、

平素から老人ホームを訪れ、ボランティア活動をしている人達が集まりました。

食べ物、散髪、マッサージ、ゲーム、健康診断、手芸などコーナーごとに催物がたくさんありました。

全てが無料、食べ物も食べ放題で楽しむことが出来、たいへんな賑わいでした。

この記念行事に人形作家の戸井田紗代子さんが、お弟子さん三人と共に招待参加されました。

戸井田さんは長野県で人形作家として活動されていましたが、

重い眼病を患ったことを契機に、御自身の技術を恵まれない人々の為に捧げる事が出来たらとの想いで、

タイ国チェンマイを選び、2009年からチェンマイでロングステイしながら奉仕活動をされています。

そのひとつの活動として、

昨年より、タマパコーン老人ホ-ムに入居されている高齢者に人形造りを教えています。

クラフト粘土を使った作品づくりを通じ、

リハビリを兼ねた心の癒し活動を目的に、この老人ホームで活動され現地社会に溶け込んでおられます。

花のリース、象や兎などの動物、日本人形などを題材に小さなマスコットをつくり、色を塗ります。

出来上がった老人達の作品は、施設来訪者への御礼や山岳民族等の子供達へのプレゼントに利用しています。

そして、今年2月に開催されたランナーイープン祭では、

施設の高齢者の人達と一緒に作品を販売し、その売上金を施設へ寄付しています。
  
戸井田さんが高齢者の人達に指導されている目的は、皆さんに楽しみながら造ってもらうこと。

そして造る喜び、作品を認められほめられる喜び、

人に見てもらう喜び、人にあげる喜び、買ってもらう喜び、

そして社会の中の一人であり、年老いても役立つ喜びを知ってもらうことにより、

”生甲斐となる心のリハビリ”となることを信じているからです。

この記念祭で戸井田人形工房グループは、

戸井田さんが考案された「グリップドール」造りのボランティアをしました。

これは、手の平に小さなクラフト粘土を乗せ、それをグット握ってもらいます。

その形のままで、人形にします。

素人では出来ませんが、戸井田さんの手にかかると、

その形を崩さずに、色塗りをして行きます。

目を描き、鼻を描き、人形にします。

学生達が次から次へと押し掛け、皆さん汗だくになって対応されていました。

2010年、タイ王国シリントーン第二王女様にも一握りして頂き、

その当時の横田総領事御転勤の折に、戸井田さんの作品が贈呈されました。

タマパコーン老人ホームには身寄りのない高齢者の人達が入居されていますから、

訪問者をとても暖かく迎えてくれます。

タイ語が判らなくても、聞いてあげるだけで喜んでくれます。

戸井田人形工房グル-プの人達は、人形づくり文化を通して、

きっとこれからもタマパコーンの高齢者の皆様に励ましを与えて行くでしょう。


SCCニュース第5号より



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