日本の介護サービスの地域格差

◇ニッポンの介護サービスの地域格差◇

介護保険は以前から保険料、施設数、認定率、サービス内容など地域格差が社会問題になっています。
  
自治体によって月額6,000円近くにもなる保険料の差があります。

2015年の厚生労働省のデータから、65歳以上の月額の介護保険料を比較した場合、

最も低額な鹿児島県の三島村が2,800円、最も高額な奈良県天川村が8,686円となっており、約3.1倍の開きがあります。
  

厚生労働省の発表では、

「介護保険利用者の約3人に1人がデイサービスに通っている」とされ、利用者は年々増える一方です。

デイサービスの過剰な提供が需要を押し上げる原因になっていますが、

その背景には小規模な通所介護施設が急増していることがあります。

デイサービスの利用者増が国の財政を圧迫していることもあり、

2015年の介護保険改正でデイサービスの是正を図ることになりました。

しかし、今回の見直しで気になるのは、これらの小規模施設は市町村の管理下におかれ、

「地域密着型サービス」に移行される点であります。



デイサービス利用者数の推移 (単位:万人)
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2001年  65.1
   *
   *
   *
2008年  120.9
2009年  129.1
2010年  137.4
2011年  148.4
2012年  160.0

市町村がデイサ-ビスの事業者を指定、監督するとなれば、

今まで以上に格差が広がる恐れがあります。



<デイサ-ビスの実態と問題点>
  
「デイサービス」という名称の通所介護は、

介護が必要な高齢者を車で介護施設に送迎し、食事や入浴、機能訓練などの

サ-ビスが受けられる点で高い人気があります。

介護度の軽い人も手頃な料金で利用でき、「預かり介護」としてのメリットもあるので、

全国におけるデイサービスの利用者は1ヶ月間で約160万人(2012年)に及びます。

利用者増に伴い、民間企業の参入が増え、小規模型通所介護施設の乱立も目立ってきました。

こうした施設の中には、夜間に介護保険適用外で「お泊りデイサービス」を行っている所も多く、

国庫の負担が増え続ける状況に政府が難色を示し始めました。

そうして、今回の介護保険改正で1ヶ月当たりの平均利用延人数が300人以下の小規模型施設に関して、

市町村が事業者を指定し、管理を行うということになりました。

小規模な通介護施設は「大規模型 通所規模型のサテライト型事業所」、

「地域密着型通所介護」、「小規模多機能居宅介護のサテライト型事業所」と

三つの事業所に移行され、地域に密着したサービスの提供と安定した

運営を目指すことになりました。
  
しかし、「地域密着型の通所介護」というと、なんとなく聞こえは良さそうですが、

小規模な通所介護施設を市町村の管理下に置くとなれば、

各自治体の財政状態によって介護施設の数やサービスの質などの点で

今以上に格差が出てくる恐れがあります。

この要因は、「介護保険制度の仕組み」自体に格差を生む構造になっているからです。


SCCニュース第5号より

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