居住者、非居住者の判定

◇居住者、非居住者の判定(複数の滞在地がある人の場合)◇
   
SCCニュース第2号で「日本の健康保険の海外療養費制度」について記載しました。

その中で、海外療養費制度が受けられる権利者として「日本国内に住所(住民票)のある方」となっています。

住所という問題がありますので、この「居住」について日本国法ではどの様に決められているでしょうか。

1.居住者と非居住者の定義
   
 所得税法では、居住者とは「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人」を言います(法2条3号)。

 非居住者とは「居住者以外の個人」をいう(法2条5号)と規定しております。

 居住者か非居住者かは、「国内に住所又は現在まで

 引き続いて1年以上居所を有するかどうか」によって区分されることになります。

 国家公務員、地方公務員は、国内に住所を有しない期間についても、

 国内に住所を有するものとみなされて、所得税法の規定が適用されます。

 但し現に国外に居住し、かつ、その地に永住すると認められるものについては、

 この取り扱いは適用されないこととされています。

2.居住者と非居住者を区分する基準
  
 * 住所の意義
    
  所得税法には、住所に関する規定はなく、

  所得税基本通達2-1(住所の意義)に「法に規定する住所とは各人の生活の本拠をいい、
  生活の本拠であるかどうかは客観的事実によって判定する」との定めを置いています。

3.「住所-生活の本拠」を決定する基準
   
 過去の居住地裁判判定の場合は、

 国内に住所があった者が、国外にも生活の拠点を有することになった場合においても、

 なお国内に住所があると言えるかが問題となったことが多くあります。

 「住所」が各人の「生活の本拠」であるとして、

 それでは「生活の本拠」を決定する基準にはどのようなものがあるかについての判例では、

 「客観的な事実、即ち住居、職業、国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有するか否か、
  資産の所在等に基づき判定するのが相当である」と判示し、

 「生活の本拠」の判定基準として、「住居」、「職業」、「生計を一にする配偶者その他の親族の所在」、
 「資産の所在」を揚げています。
  
 しかし、これ等の基準のうち、どの程度のものが国内又は国外にある場合に、

 国内又は国外に「生活の本拠」であるとするのか、

 また、これらの基準をすべて同じレベルで評価すべきか等明確でない点も多く、

 個別事案における住所の「生活の本拠」の判定には困難が伴います。

以上の客観的事実と
「居住者の言動等により外部から客観的に認識することができる
居住者の居住意思を総合して判断するのが相当」との判例もあります。

SCCニュース第3号より


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