日本と西欧諸国における介護の実態

日本と西欧諸国における介護の実態 

・デンマーク

高齢化対策のモデル国といわれている。

現在の高齢化率は15%を超えており、2035年にピークを迎えると予測されている。

特徴は、老人ホームをなくす方向での制度改革。在宅ケアを重視し、ケア付きの住宅を整備している。

住宅で満足できる生活を送ることを、国や市が保証している。

そのため、住宅が満足できないために退院が延期された場合、行政が病院に罰金を支払うという徹底ぶりである。


・スウェーデン

20%と高齢化が進んでいる。将来は日本と同様の高齢化が予測される。

福祉大国といわれているが、それは高齢化社会になる前のことであり、

今は医療費が増大し財源確保に問題がある。

若者の失業率が高く、税収が減少しているため福祉予算も削られている。

そのため定年を75歳に引き上げることを検討中である。

国が高齢者のサービスを積極的に提供しており、バリアフリー住宅の建設に取り組んでいる。

その住宅は医療や介護サービスへのアクセスがし易い立地を選んでいる。

多くの高齢者が在宅ケアを受けており、24時間対応の在宅介護サービスもある。

移民問題、EU全体の経済がどうなるか不透明など、問題を抱えている。


・イギリス

16%が高齢者で、2050年には23%になると予測されている。

福祉が充実している国として昔から知られていた。それを可能としていたのは税金が高額であるから。

それを福祉につぎ込むことによって、福祉のサービスを主に社会的な弱者が享受することができた。

しかし、高齢化が進んでしまうと財源がどうしても足りなくなるので、税金により費用を出す以外の方法が検討されている。 
    
公的年金の支給額の改革にも取り組み中である。

また、高齢者に元気に働いてもらう取り組みを実施しており、高齢者の就業率が高いのが特徴。

保険医療は充実しているが、財源不足である。

そのため福祉サービスの提供は経済力がない人を優先していて、平等なケアとはなっていない。
    
英国国民は自分の住宅を大切にする傾向があり、老朽化した家に住んでいるため、

転倒などの原因となっている。政府はバリアフリー化など住宅環境の改善に取り組んでいる。


・ドイツ
    
少子高齢化が進んでいる。

2030年は29%と日本並みになるといわれている。

高齢者の4%が介護を必要としている。

ボランティア活動に参加している高齢者が多いのも特徴。

1995年、社会保険制度を世界で初めて実現した国。

老齢基礎保障制度により最低限の生活は可能である。

しかし、少子高齢化により年金制度崩壊の危機にある。

このため公的年金支給年齢の引き上げを決定した。
    
ドイツには高所得者用の老人ホームから、低所得者向けの老人ホームまで揃っている。

ただし、保険給付額が少ないことから、自宅での介護を選択せざる負えない人が多い
    
在宅介護を受けている人は施設ケアを受けている人の2倍に近く、公的資金は現金で給付される。
    
介護士の7割が施設で働いていて、3割が在宅ケアの仕事をしている。

給料があまり高くなく、人気のある仕事ではない。
    
要介護度認定は4段階に分けられている。

0度は自分で生活をすることができるが、3度になると24時間の介護が必要。

基本的には重度の介護者の方を対象とした保険となっていて、軽度の方は保障を満足に受けられないという問題点がある。
    
基本的にドイツには子供が成人してから親と同居するという習慣がない。

そのため介護特別休暇を取得して親の介護をしている人がいる。

あるいは、介護士を雇って在宅ケアをする方法がある。

外国人介護士の場合は安価で雇うことができるので、利用している人が多い。

特に隣国のポーランドからの介護士がドイツで働いていることがよくある。
    
海外の施設を利用する場合であっても介護保険給付が適用されるので、負担は小さい。

そのため多くの老人がポーランドやスロバキアなどにある安い施設を利用している。


・フランス

1999年の65歳以上の割合は14%。高齢化の進行は極めて緩やかである。

高齢者介護政策が充実しており、特に、訪問介護に力を入れている。

在宅支援サービスは掃除、買い物、料理などの家事援助を行うものであり、

国や県による費用の給付がある。在宅介護サービスは、医療系介護士(国家資格)が

看護師の指導下で連携して実施するもので、清拭などの処置を行う。

費用は医療保険財源から支出される。

介護施設も国営・民営の老人ホーム、医療付き老人ホームなど多種ある。

要介護度、自立度、経済力に応じて選択されている。

在宅サービスを受けている人は60%、入居者は40%となっている。近年、在宅の割合が増える傾向にある。


・オーストラリア

世界第2位の長寿国。

高齢者の割合は2007年で13%。高齢者が高齢者をケアするボランティアが特徴。

介護保険はなく、すべて基礎税で賄われている。

将来も問題はないとみられている。


・アメリカ

介護に対する行政は遅れており、殆どが自宅での家族による介護。

配偶者や娘がかかりきりになっている。

高齢者医療制度は、あくまでも病気を治すことに重点が置かれ、治療後の介護やリハビリの保障はない。

そのため、民間保険非加入者にとっては大きな問題である。

老人ホーム、ナーシングホームはすべて民間の経営する施設で、金持ちしか利用できない。


・日本

高齢化が世界で最も進んでいて、今や1/4が高齢者。

2000年に介護保険を導入した。医療制度は充実しているが、医療費の財源確保に問題があり、

後期高齢者(75歳以上)の医療費の10%負担を実施したが、効果はあがっていない。

少子化対策として、育児環境の整備に取り組んでいる。 

在宅介護は家族の負担が非常に大きく、そのため、本人から施設を希望する例が多い。

西欧諸国では自宅介護を重視し、その環境整備に重点が置かれる傾向がみられるが、

我が国の介護現場は主に老人ホームである。

老人ホームでは介護士がサービスを行っている。入居するか、自宅から通うかどちらでも可能。

看護師が居るケースが多い。自宅に出向いての身体介護や生活援助、デイサービスを受けることもできる。

医師、看護師、介護士が、特に都市部で不足しており、国は医療従事者を増やす取り組みをしている。

介護の現場は重労働であり、労働環境の整備が必要。3K職場という偏見もあるため人手不足になりやすい。

高齢者の地方への移動も検討されている。

             
参考資料;sekai-kaigo.com日本と世界の介護、ほか
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