乳癌の5つのタイプとその治療法

知らなかった!では、すまされない

女性の病気1位に挙げられるほど乳癌になる女性は多いのです。

乳癌は知らず知らずの内に侵されている可能性もあります。

乳癌とは、どんな病気なのか?

「乳癌の仕組み」から、「乳癌の5つのタイプ」について説明し、

そして現在医療現場で行われている「治療方法」について詳しく解説したいと思います。





ここでの説明は、

現在医療現場で行われている「治療方法」です。

食事法や温熱療法などの

民間療法については説明していません。


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「がん」とは

初歩の知識

がんは、現在の日本人の2人に1人は
何らかのがんにかかると言われるほど、身近な病気です。

がんは、禁煙や食生活の見直し、運動不足の解消などで予防することができる病気ですが、
完全にならないようにすることはできません。

そして「がん」は、遺伝子が傷つくことで起こる病気ですので、

人から人に感染することはありません。


がん細胞

どんな人でも細胞が分裂したり、分化したり、

増殖したりする遺伝子を持っています。

遺伝子はたんぱく質の組み合わせでできていて、

がんの増殖を促す遺伝子があれば、がんの増殖を抑える遺伝子もあります。

また、がん遺伝子が存在しても、すぐにがんを発病する訳ではありません。

がん遺伝子が傷つくと、細胞をがん化させてしまいますが、

免疫の働きが十分に発揮できれば、がん細胞を死滅させ、

本格的ながんに発展することを防ぐこともできるのです。

それでも、がんの増殖を促進する遺伝子と、

がんの増殖を抑制する遺伝子の

バランスが崩れてしまった時には、がんが発症します。

がんが発症してしまうと、どんどん増殖を続け、

周囲の正常な組織に侵入し、正常な細胞を追い払っていきます。

がん細胞は他の正常な組織に必要な栄養を奪うため、

がんの進行とともに身体も衰弱してしまうのです。


乳癌とは

乳房には「脂肪」と「乳腺」があり、乳癌とは乳腺にできる悪性腫瘍のことです。

脂肪から乳癌はできません。

乳腺は「乳管」「小葉」から成り立っており、

乳頭から15~20の乳管が伸びています。

乳管の先には人の手に似た小葉と言われるものが続いています。

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乳癌は乳腺組織から発生しますが、

その約9割は乳管より発生する「乳管癌」であり、

残りの1割が小葉から発生する「小葉癌」です。

発生部位によって乳癌の名称が異なるのです。


乳癌の2つの種類


また、乳癌のしこりが硬く、周辺組織との境が分かりやすい「非浸潤癌」と、

境が分かりにくい「浸潤癌」に分けられます。

「非浸潤癌」は他に転移しないため、

マンモグラフィーで早期発見が行われれば

完全に切除ができ、完治も可能です。

これは乳癌全体の5~10%を占めます。

それに対して「浸潤癌」はリンパ節(わき、肋骨付近)などに転移する癌です。

乳房以外の臓器にがん細胞が運ばれ、そこで新しい癌を作ってしまうのです。

転移してしまうと完全に切除することは難しくなるので、

転移する前の発見が重要になります。

増殖能力に違いがある!乳癌の5つのタイプ

乳癌は、増殖能力が高いかどうか、ホルモン受容体やHER2が陽性か陰性かによって、5つのタイプに分けられています。

乳癌の初期治療ではこのタイプに応じて、適切な治療を実施しているのです。

乳癌の5つのタイプとその詳細

ルミナルAタイプ
ルミナルBタイプ・HER2陰性
ルミナルBタイプ・HER2陽性
HER2陽性
トリプルネガティブ


ここで言う「ルミナル」とはホルモン受容体陽性タイプのことです。

受容体には、特定のホルモンにカチッとあてはまる役割があります。

例えばAというホルモンにはAという受容体があります。

BホルモンをAホルモンの受容体で対応することはできません。

また、HER2(ハーツー)とは、近年の研究によって明らかになったタンパク質のことです。

ルミナルAタイプ

これは乳癌全体の60~70%を占める最もポピュラーなタイプです。

ルミナルAタイプは増殖能力が低く、HER2は陰性でホルモン受容体陽性の乳癌です。

ルミナルBタイプ・HER2陰性

ルミナルBタイプ・HER2陰性は、ルミナルAタイプと同じように

ホルモン受容体は陽性でHER2陰性となっています。

けれど、ルミナルAタイプと比べると増殖能力が高いのが特徴です。

ルミナルBタイプ・HER2陽性

ルミナルBタイプ・HER2陽性は、

ルミナルAタイプやルミナルBタイプHER2陰性とは違い、

ホルモン受容体もHER2も両方とも陽性となっています。

特徴としては増殖能力が高く、HER2も陽性というところですね。

HER2陽性

ホルモン受容体のルミナルが存在しないので、

ホルモンは無関係となります。

HER2のみが陽性のタイプです。乳癌患者の約10%を占めます。

トリプルネガティブ

ホルモン受容体のルミナルとHER2ともに存在しないタイプです。

最新!これが乳癌の治療法

それでは乳癌になってしまったらどのように治療が行われるのか見ていきましょう。

乳がん治療

まず、乳癌の治療には次の3つの方法があります。

手術療法
放射線療法
薬物療法


手術と放射線諜報は、乳房内にあるがん細胞に対して行われる

「局所療法」となり、

薬物療法は乳房以外の組織や臓器にも存在する可能性のある

がん細胞に対しても行われるので「全身療法」となります。

乳がん治療は、進行度合い、がんの種類、がんのタイプ、がんの大きさ、リンパ節転移の状況から、

上記の治療法を組み合わせて行います。

手術療法とは

乳がんの手術方法は、「乳房」「胸筋」「リンパ節」それぞれを

「どの程度切除するか?」「温存(残す)するのか?」で異なってきます。

手術方法や切除する範囲は、乳房内でのがんの広がりによって決められます。

通常、乳がんの切除と同時に、

わきの下のリンパ節を含むわきの下の脂肪組織も切除します。

これを「腋窩(えきか)リンパ節郭清(かくせい)」と呼びます。



放射線療法とは

放射線療法について女性の健康・医療情報.netから引用して紹介します。

放射線にはがん細胞を死滅させる効果があります。

放射線治療は放射線照射を行った部分にだけ効果を発揮する局所療法です。

乳がんでは外科手術でがんを切除した後に乳房やその領域の再発を予防する目的で行う場合

(これを「術後放射線療法」といいます)と、

骨の痛みなど転移した病巣による症状を緩和するために行う場合があります。

つまり、放射線療法は手術を行った後に再発防止として行う場合と、

転移した病巣による症状緩和のために行うのです。

ただし、放射線治療は正常な組織にも放射線がかかってしまうため、副作用が起こります。

薬物療法とは

「薬物療法」には「化学療法」「ホルモン療法」「分子標的療法」があり、

先ほどの乳癌の5つのタイプに応じて使われます。

化学療法
ホルモン療法
分子標的療法
薬物療法の一つ、「化学療法」


「化学療法」は一般的に言う「抗がん剤治療」のことです。

癌細胞に直接働きかけることで、癌を死滅させることを狙いとしています。

癌細胞はいくつかの段階を経て分裂・増殖するため、

それぞれの分裂段階に応じて増殖を抑止する抗がん剤を使用します。

しかし、抗がん剤は癌細胞だけに働きかけるのではなく

正常な細胞にまでその影響を及ぼすことがあるため、

髪の毛が抜けるなどの副作用が出てしまうことがあります。

薬物療法の一つ、「ホルモン療法」

「ホルモン療法」は女性ホルモンの1つであるエストロゲンを抑える役割があります。

というのも、乳癌細胞はエストロゲンをエサに増殖するからです。

そのためホルモン療法によって、

体内でエストロゲンが作られるのを抑止したり、

エストロゲンと癌細胞が結びつくのを抑えたりするのです。

薬物療法の一つ、「分子標的療法」

「分子標的療法」とは、HER2タンパク質に直接働きかける作用があります。

エストロゲンという女性ホルモンではなく、

HER2タンパク質が増殖することで転移のスピードが速まるという研究結果があります。

そのためHER2タンパク質を抑制する抗HER2薬が開発されました。

乳癌に大切なのは薬物療法!それぞれのタイプ別治療法

乳房やその周囲の再発を防ぐためには、

手術で取り除いたり、放射線療法で治療することがポイントになります。

けれど、転移を防ぐためには薬物療法が大切です。

乳がんのタイプ別治療法を紹介。

ルミナルBタイプ・HER2陰性の治療法

ルミナルAタイプと同様にホルモン療法が奨められます。

けれど、ルミナルBタイプはAタイプよりも増殖能力が高いため、

ホルモン療法と併せて化学療法が採用されます。

ルミナルBタイプ・HER2陽性の治療法

このタイプではホルモン受容体とHER2のどちらも陽性であるため、

ホルモン療法と分子標的療法が行われます。

また分子標的療法(抗HER2薬)を行う時は化学療法も併せて行われることが進められています。

HER2陽性の治療法

ホルモン受容体がないため、ホルモン療法は行っても効果がありません。

そこで、分子標的療法(抗HER2薬)と化学療法で対処します。

トリプルネガティブの治療法

ホルモン受容体とHER2のいずれも持たないため、

一般的には化学療法が行われます。

どのような用量、用法、治療期間が効果的かつ安全に行えるのか、

治療についての研究が進められているタイプです。



乳がんの治療法は、

乳がんの進行度合い、種類、タイプなどの状況によって、

治療法の組み合わせ方が違います。

乳がんのタイプによって、有効になる治療法と有効ではない治療法があります。

例えば、ホルモン受容体が陽性ならホルモン療法を行うけど、陰性なら行わない。

最近の治療の流れは?

大まかな流れは

診断→術前療法→手術→術後診断→術後療法→定期的な経過観察になる。


診断でがんの大きさやホルモン受容体などの状況を把握します。

ホルモン受容体の陽性・陰性が治療に大きな影響を与えます。

術前療法では、主に薬物療法を行って、

術後療法では、薬物療法に加えて放射線療法も行います。


さて、乳癌の5つのタイプとその治療法について見てきましたが、

治療後の生存率を上げるには早期発見がカギとなります。

この早期に発見するにはどうしたら良いのか分かりますか?

自己検診
視触診
画像診断
細胞診


乳がん検診で行われる上記の内容が早期発見のカギとなるのです。

乳癌が非浸潤癌の状態であれば、転移を起こさず、生存率もほぼ100%となっています。

けれど発見が遅れ、ステージが進むにつれ5年後、10年後の生存率は下がってしまいます。

Ⅰ期で発見できれば5年後の生存率は95%、

10年後の生存率は89%となっています。

しかし、Ⅳ期になってしまうと、5年後の生存率は34%、

10年後の生存率は20%となってしまいます。

治療後の生存率を上げるためにも、早期発見は大切なのです。

治療後に気になるのが再発や転移ですね。

再発と転移

再発とは、手術や薬物療法などの治療によって、

手術した側の乳房や胸壁、その周囲の皮膚やリンパ節に、

目に見える大きさのがんがなくなった後、がんが再び現れることを言います。

転移とは、がん細胞があった場所から血液やリンパ液を介して、

違う場所で新しいがんが現れることをいいます。

リンパ節がポイント


紹介した通り、乳がんの転移は血液やリンパ液を介して起こる為、

乳房周囲のリンパ節への転移が起こります。

転移しやすいリンパ節は、わきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)や

胸の前方中央を縦に構成する胸骨のそばのリンパ節(内胸リンパ節)や

鎖骨上のリンパ節になります。

リンパ節転移

リンパ節転移は、小胸筋外縁より外側のリンパ節から

小胸筋の後ろまたは大胸筋と小胸筋の間のリンパ節、

さらに鎖骨下の小胸筋内縁より内側のリンパ節へ進みます。

腋窩リンパ節は小胸筋外縁より外側のリンパ節がレベルⅠ、

小胸筋の後ろまたは大胸筋と小胸筋の間のリンパ節がレベルⅡ、

鎖骨下の小胸筋内縁より内側のリンパ節がレベルⅢとなっています。

リンパ節転移はレベルⅠからⅢへ進みますので、

手術で乳房周囲のリンパ節をきれいに取り除き、転移を防ごうとしてきました。

センチネルリンパ節生検

けれど実際は、乳がんは必ず腋窩リンパ節を経由して転移するわけではないため、

最近では、リンパ節に明らかな大きい転移がある場合以外は、

リンパ節をきれいに取り除くことに治療的な意味はあまりないと考えられています。

そして、リンパ節をきれいに取り除く代わりに、

センチネルリンパ節生検が見いだされました。

センチネルリンパ節とは、

がん細胞が腋窩リンパ節に入ると最初に通るリンパ管になります。

手術前に、このセンチネルリンパ節に色素を注入して目印をつけ、

手術中にセンチネルリンパ節を取り出し、がんが転移していないか調べます。

その結果、転移が認められない場合は、

腋窩リンパ節をきれいに取り除くことはしません。

ただし、転移が認められた場合は、これまで通り、腋窩リンパ節をきれいに取り除きますよ。

こうすることで、不必要に腋窩リンパ節をきれいに取り除く手間や、

患者の負担を軽くすることができるのです。



乳癌には5つのタイプと、タイプに合った治療法がありますが、

生存率を上げるには、

早期発見のための定期検診や再発、転移に気づくための経過観察がポイントとなりますね。

生存率を上げるには、術後の再発や転移がポイントになります。

早期発見するためにも、経過観察が重要だそうです。

転移の状況によって、治療法が変わってくるため、

転移しているかどうかの確認が重要です。

センチネルリンパ節生検は、

がんの転移の有無を調べる有効な手段で、センチネルリンパ節生検を行うことで、

不必要に腋窩リンパ節を取り除く手間を省くことができるのだそうです。



知っておくと安心!乳癌のタイプと治療法

ここまで見ると、乳癌のタイプが分かりましたね。

ルミナルAタイプ
ルミナルBタイプ・HER2陰性
ルミナルBタイプ・HER2陽性
HER2陽性
トリプルネガティブ


それぞれのホルモン受容体の陽性・陰性、
HER2の陽性・陰性、増殖能力の高低などの違いを見てきました。

ホルモン受容体が陽性のタイプには、ホルモン療法を行い、

陰性のタイプにはその他の化学療法や分子標的療法を行います。

また、ホルモン療法を行っている場合でも、

化学療法を組み合わせたり分子標的療法を組み合わせたりして、

状況に合った治療法を行っていきます。

生存率を上げるためには、転移を防ぐ薬物療法が欠かせないのです。

そして、そもそも乳癌自体を早期発見できれば、

乳房温存手術ができ、早めにリンパ節転移を防ぐこともできますので、

生存率アップに繋がります。

そのため、定期検診の受診が早期発見のポイントになります。

治療後に生存率を上げるには、早期発見がカギです。

早く発見できれば、それだけで5年後、10年後の生存率が違ってきます。

そのため定期検診の受診がポイントになる。

また、発症後もリンパ節転移を早めに発見できると、

それだけがんが広範囲に広がることを防ぐことができるから生存率が変わります。

「乳癌かもしれない…」といった、

気になるしこりがある場合は速めに婦人科を受診するべきです。

(引用元::女性の健康・医療情報.net)




長文をお読みいただきありがとうございます。



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