北部タイ在留邦人高齢者の介護環境

北部タイ在留邦人高齢者の介護環境

1、タイ国の介護

日本国の65歳以上の高齢者数が総人口に占める割合は世界1位ですが、タイ国での高齢化は、東南アジア地域の開発途上国の中では最も進んでいる状況にあり、日本を凌ぐスピードで高齢化が進行しております。

タイ国における介護は、基本的に家族や親族によってケアされていますが、少子高齢化による所帯状況の変化により、急速に変わりつつあります。

この様に、タイ国も先進国並みの速さで進む高齢化に直面しており、経済発展を遂げる前に高齢化が進み、先には高齢者の貧困、孤独死などの問題が待ち構えていることになります。
従って低所得で高齢化が進展するため、タイ国の実情に即した対策が必要であります。

2、チェンマイ介護研究会の取り組み

日本は、多大な時間と資金を投入した介護保険、高齢者施設などを増やして来ました。
一方手厚い制度は多くのことを可能にした代わりに、高齢者を家族コミュニティが支えるという日本本来にあった価値観を忘れさせてしまっているのも事実です。

一方、タイ国は、まだこれ等の政治的な社会保障は普及していませんが、本来の助け合いが家族、地域社会に根強く残っています。一般的に援助や研究の文脈でタイの高齢化が語られるとき、何が課題で、どの様な制度が不足しているのか、という議論が中心になりがちです。

しかし、不足を指摘する前に、タイに「あるもの」は何かという視点を持ってみると、違った世界が見えて来ます。

チェンマイ介護研究会では、設立当初から、日本が目指していると同様に、在留邦人高齢者が重度な介護状態となっても住み慣れた北部タイ地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるような「包括ケアシステム」の構築を目指す為に調査・研究を続けてまいりました。しかし、外国に在留する高齢者の場合では、日本の公的機関からの援助(公助)、国民健康保険・介護保険等の援助(共助)が得られない状態であり、それらを含めた構築は矛盾がありました。 
                        
一昨年度より、北部タイ包括ケアシステム構築の方向性を転換し、北部タイにある資源(人、もの、組織等)を生かした介護と在留邦人相互の自立(自助)と助け合い(互助)を組み合わせた介護を重点とするシステムの構築を目指してしています。

3、北部タイ在留邦人高齢者の実態

北部タイに在留する邦人高齢者の多くの方は、温暖な気候、安定した治安、物価が安い等のメリットから、北部タイをロングステイ先として選択しています。

チェンマイ介護研究会(以下SCCと呼称)が実施した調査では、日常生活の身体的自立度に関しては、9割の方が全てに自立していると回答しています。 

また、介護が必要になっても、6割の方が北部タイに住むことを望んでいます。2016年度末、総領事館在留届出者の年齢別内訳によると、60歳以上46%、65歳以上37%となり、日本の27%を凌ぐ、高齢化状況であります。

また、SCCの高齢者対象調査では、2014年度の平均年齢67.2歳に対して、2016年度では70歳になっています。
 
この背景には、日本における退職高齢者がロングステイの地として、東南アジアの地を目指して移動が顕著に表れてきたのが、2000年代になってからですので、60歳を過ぎてから北部タイに移動して来た高齢者の平均年齢が、調査年を径るごとに上がる現象に結びついています。この様な高齢化に伴い、自分が介護を必要とする状態(寝たきりや認知症)になることへの不安への問いかけに対して、90%の方が不安を訴えております。

また、現在治療中の疾患については、「疾患はない」と回答した方が17%であり、他の83%の方は、何らかの疾患で治療しながら生活している状況です。


4、北部タイ邦人高齢者の世帯別構成とケアへの対応

個々人が自律するための助け合いについては、その方の実情に合わした対策が必要になります。

* 邦人高齢者の同居家族別実情

 (イ)、日本人の連れ合いーーーーー34%
日本人夫婦の場合、二人で協力しながら、北部タイの地で健康増進を図りながら、出来るだけ長い期間、生活をエンジョイすることに努力されています。

しかし、夫婦のどちらかの方が、身体の一部に異状が見つかり、病院通いが始まると医療、保険等の問題、更にその後の介護への心配から、社会保障制度が確立されている日本への帰国を選択されるケースが多いです。

(ロ)、外国人(主としてタイ人)との連れ合いーーーーー33%

正式に結婚されている人たちの場合は、連れ合いとその家族、親族が最後まで、 ケアしてくれる安心感を持っています。問題は医療費と保険です。

事実婚の場合は、最後までケアしてくれるケースが多いですが、手続上の正式な家族ではないので、権利、権限、保証人等の問題が発生しますので、ケアする上でも問題が発生する恐れがあります。

(ハ)、その他親族と同居ーーーーー7%
 
日本人の家族との同居であるケ—スが多いので、対応としては、日本人の連れ合いの場合と同様な対策が必要です。

 (二)、一人住まいーーーーー26%
   
友人や住んでいる所の管理人が、ある程度の見守り、ケアをしてくれるケースもありますが、その支援には、限界があります。また、世間とは全く関係を絶ち、孤立化しているケースの人たちも在留されています。多くの面で不安定な状態です。


5、介護とは

本来の介護の意味からすれば、「介護とは個々人が、自立するための助け合い」であります。介護と言う言葉がもっている本来の「ケア」という意味において、それは、介護者である家族や介護者だけが行なっているものではなく、この社会においては、誰もが誰かの自立を「ケア」しているのであります。従って、在留邦人高齢者の多くの方は、何らかの助け合いをしながら生活をしている訳であります。

特に高齢化が進むに連れ、介護度も急速に増えてきますので、個々人が意識して介護予防と準備をする必要があります。外地では、国内の様に日本政府や自治体からの公的な援助や保険等の共助は受け難いです。従って、互助と自助で高齢者が互いに尊厳の保持と自立生活の支援のもとに、北部タイの地で生活を継続することができる様なサービス提供体制の構築を目指すことが重要となります。

北部タイの介護施設に関する環境

バンコクでは、外資を含む民間企業や個人が、一部の富裕層をターゲットにした高齢者介護施設を次々に開設しています。介護施設としての政府への登録義務はなく、医療行為が伴わなければ、ホテルやサービスアパートメントとして介護施設の運営が可能であるからです。

従って、正確な施設数が把握困難であります。
一方、北部タイに於いては、富裕層はまだ少ないです。また、昔から「親の面倒は、その子供がみる」という習慣が根強く残っており、在宅介護が圧倒的に多いですから、新しい介護施設は増えていません。

タイの中央官庁が管轄する介護施設は、全国で12箇所ありますが、此処は経済的に恵まれない、或いは身寄りのない高齢者を保護する施設です。

チェンマイには、チェンマイ門近郊に、Thammapakom Social Welfare Development Center For Older Persons (通称タマパコーン)があります。現在では、約130人の高齢者が入所されており、健康な高齢者から介護を必要とする高齢者が入居しています。

この国立介護施設は、タイ人にとって一般的ではなく、「恵まれない人が最終手段として」行く場所というマイナスイメージが根強いです。                 

高齢の両親を介護施設に入れたら、親不孝で冷酷だと周囲から非難され、また地域社会にとっても、その家族を支えることが出来ないことは、恥であるといわれてます。

タイ国に於いても、少子高齢化が急速に進んでいます。              

家族、親族で介護する人が不足してきています。また、若者が地方から都会に働きに出るようになり、農村部では若者の働き手が少なくなっています。            

しかし、北部タイの現状をみると、一旦遠距離に就職した若い人たちが勤務場所を親元の近くに変更し、親と同居したり、親のケアが必要になれば、バンコク近郊等の遠距離勤務から、親元に引き揚げているケースが多く見られます。               

介護する人がいない場合は、山岳民族やミャンマー人等を雇用し、在宅で介護をしています。

ある介護事業者の実態ですが、                    

山岳民族の若者を介護養成しましたが、お金を払ってまで介護を必要とする高齢者が少なく経営が成り立たない状態です。

この様に北部タイに於いては、在宅介護が基本であるため、介護施設の整備が不十分です。

特に日本人を含む外国人向けの施設となると、極めて限定されてしまう現状です。

チェンマイやその近郊には、いくつかの介護施設がありますが、日本人が入居する上での問題点は幾つかありますが、そのうちでも費用の問題です。

多くの在留者は年金収入範囲内で支払い可能な介護費を望んでいます。        

しかし、外国での介護に関しては、日本の介護保険は適用されません。

また、医療費にしても長期滞在となった場合、国民健康保険の適用が難しくなる問題があります。

その他にも言語、食事、習慣など困難な環境にあります。



北部タイの 介護施設

1、国立老人ホーム  
Thammapakorn Social Welfare Development center For Older Persons at Chiang Mai
Tel: 053ー278ー573  
Website:www.thammapakorn.go.th  Eーmail: thammapakorn@dop.mail.go.th

チェンマイ門近くに国立タマパコーン老人ホームがあります。此処は、タイ国内で12箇所ある国立老人ホームの一つで、北部タイ最大規模のホームで開設62年目です。

主として扶養してくれる身寄りのないこと、家や資産が無いことなどが条件です。タイに住民票のある人が対象で、外国人は入居できません。                

健常者棟と介護棟があり、介護棟はウェイティング状態です。国の施設ですが、政府の補助金だけでは不足で、地域の人たちの奉仕により支えられています。         

約130人の高齢者が入居しています。
この種の施設運営は大きな資金が必要であり、民間では困難です。

2、西欧系資本のリゾート型施設

スイス人、ドイツ人など西欧系リゾート型施設については、チェンマイ市内から離れている上、費用は月額70,000~100,000バーツ/月です。           

ドイツ語使用限定者用です。

3、一般介護施設

代表的な所としては、ドックケーオ・ガーデン介護施設、バーンミースック・ガーデン介護施設があります。
日本人にとって、適当な施設は難しいですが、この二つの施設であればと考えられます。
特にドックケーオ・ガーデンについては、過去から日本人が入院しています。
問題点は費用です。

4、中小介護施設
収容人員が限られている中小規模の施設がいくつかあり、月額の費用は下記の通りです
 ※プラカィパン介護施設(サンパートーン、ランプーン)
  18,500バーツ/月(8~9人部屋)
  25,000バーツ/月(2~3人部屋)
  収容人員:20人
  18,000バーツ/月(8~9人部屋)
 ※メージョー介護施設(サンサーイ)
24,000バーツ/月(1人部屋)
   収容人員:16人
 ※SD介護施設(チェンマイ市内)
  16,000バーツ/月(2人と4人部屋)
収容人員:4~5人
 ※チェンマイナース介護施設(サンサイ)CHIANGMAI NURSE
電話:062ー9816496
  2軒の一般住宅を利用し、老人施設と介護施設を開設している。どちらの施設にも、医師、看護婦、介護の課程を修了した介護助手が勤務
  9,000~12,000バーツ/月、 15,000/月バーツから相談
英語能力必要




<ドックケオガ-デン介護施設>
Dok Kaew Gardens & Mckean Rehabilitation Center

Tel: 053-124-263  www.mckeanhosp.org

2009年に開設、生活自立度レベルに応じた包括的ケアを提供。
キリスト教系の団体で、場所はピン川沿いの第2環状道路の近く、広大な400ライの敷地内(東京ドームの20個分)にマッケン病院、介護棟、健常者棟の施設がある。また新たに「べタニーハウス」と呼ぶ、健康な高齢者が住む事ができるように、古い建物を改築している。
ガーデンの名に相応しい閑静な自然環境にあり、清潔で設備や環境は申し分なし、チェンマイで安心できる施設の一つである。日本人高齢者は介護棟に1名、健常棟に2名が入居している。また、敷地内に一般住宅(べタニーハウス)もあり、此処にも5人の日本人高齢者が入居されている。とくに自立度の異なる夫婦にとって最適な居住施設である。言語は、タイ語と英語。料理は西洋風料理、タイ料理

※マッケン病院(寝たきり、リハビリ施設)(Mckean Rehabilitation center)
 医者3名、看護士20名
寝たきり患者が多く、6人部屋が多数あり、空き部屋も多い。
リハビリセンターを併設してあり、義足などオーダーメイドできる。

※介護棟(Jasmine Wing)
15室、28平方メートル、シャワートイレ付き
45,000バーツ/月、3食付
常時2人の看護助手による24時間監視。提携病院はマコーミック病院。

※健常者棟(Lotus Wing & Orchid Wing)
10室 28平方メートル、シャワートイレ付き
32,000バーツ/月、3食付
食堂、美容室、マッサージ室、TV、図書室、パソコン等、
夫婦での入居(ツインルーム)が可能




< バーンミースック介護施設 >
Baan Mee Suk Nursing Home
住所: 175 Moo.6 T.Nongham A.Sansa ChaingMai 50290 Thailand
EーMail: csl@villameesukresidences.com
HP: www.villameesukresidences.com

交通: ミーチョークプラザ交差点から1001号線を北へ約7Kmの所にバーンミースックの標識がある。此処を左折し、案内標識に沿い約2kmの所にある。

環境: 閑静な場所にあり、敷地内はリゾート式に美しく手入れされている。

ヴィラ・ミースックと呼ばれるエリアには、介護棟、一戸建て住宅、マンション、クリニックの建物を中心に池を有する広い庭、オーナーの自宅、プール等がある。

オーナーは、脳神経外科の医師

一戸建て住宅:
 価格は550万バーツで既に完売済。136㎡の平屋、家具は付いていない。
 2寝室とメーバーン用の部屋、駐車スペース3台可能
マンション棟:
 3階建で合計20部屋、28平方メートル、シャワートイレ付
 レンタル価格:2万バーツ/月、朝食付の場合は2万4千バーツ/月、三食付の場合は32,000バーツ/月(電気、水道、管理費は別途)、 夫婦入居(ツインルーム)可能、購入価格(売価:340万バーツ)
 1階に読書室、プール。2階中央にレセプションとラウンジ。
3階中央に多目的ホール(映画鑑賞、カラオケ等)、フィットネスルーム、
 エレベータ設備あり
 部屋には、小厨房あり簡単な自炊可能、バスタブは無い。掃除は1回/月

 ランドリー30枚で400バーツ

介護棟:
 部屋数:8部屋、収容人員20名、2~3名/室
介護士数:24時間対応、看護婦は常時1名、介護助手は入居者4名につき1名
 市内送迎ーーー送迎車あり
 料理ーーータイ料理と西洋風料理
 介護費ーーー
  入院費:3万~4万5千バーツ/月(1,000~1,500バーツ/日)
  介護レベルにより異なる。おむつ代は別途
看護婦常時Ⅰ名、介護助手は入居者4名につき1名
  車椅子にて庭の散歩サービス等あり、病院には本人の希望で選択。
  デイサービス費:1,200バーツ/日、500バーツ/8時~17時

日本人入居者は現在居ないが、歓迎している。日本人が入居すれば、日本料理、日本語対応を考えるとのこと。

クリニック:
傷病全てを対象とのことであるが、医師は脳神経外科専門の施設オーナーで   土、日曜日のみ診療で平日は休診。



< 北部タイの在宅介護>
チェンマイにおける、在宅介護の費用は、介護士の資格を持っている人に依頼すると600バーツ/日が相場であり、一日10時間週6日で月額15,000バーツから20,000バーツとなる。常時、有資格者から在宅介護を望むのは費用的に厳しい面がある。
※介護士費用(チェンマイ市内の介護に限る)
 15,000バーツ/月 7時より18時 延長1時間200バーツ
 24時間介護 28,000~30,000バーツ/月 介護状態により変更有

(参考)Buddy homecare Social Enterprise Co., Ltdのタイ患者用介護の場合
タイ人(患者)  10,000バーツ/月
     住み込みの場合 14、000~16,000バーツ/月

※介護内容
 食事介護(患者のみ)、シャワー、着替え、ベットメーキング、トイレ(歩行できること)、おむつ使用は別途料金

※その他
 家事や掃除は別料金4,000~5,000バーツ/月 
 マッサージ200バーツ/時間、交通費500バーツ/月、
 ヘルパーの食事代50バーツ/食、 休日は毎日曜日、ソンクラーン日





※チェンマイ暮らしの日本人夫婦の実例
 夫婦と母親(患者)の三人暮らしです。奥様1人が一時帰国することになり、留守番は夫と母親です。食事や洗濯は問題ないのですが、高齢の母親の入浴が難しく、ヘルパーを頼みました。

介護は入浴と着替えの介護のみ一回500バーツ/週2回です。         

ランパーン市内のヘルパーですと300~400バーツが相場

※チェンライ県在住の方の場合
 夫は日本人で妻はタイ人です。日本人の母親を呼び寄せ自宅介護をしています。
  費用:二人のメーバーンを住み込みで24時間雇用しています。        
タイ人 16,000バーツ/月 ミャンマー人10,000バーツ/月

※ランパーン市内の無資格者のメーバーン(お手伝いさん)
  通勤で8時~16時
  家事全般(掃除、洗濯、買い物、食事準備)10,000バーツ/月
  (交通費別途)日曜日、ソンクラーン休み

※通訳代の相場
  600バーツ/時、8時間4,500バーツ





※在宅介護の総括
タイ国教育省の認可を受けた看護助手養成学校では派遣業務をしていないが、日本語を教えている学校の卒業生や在校生を紹介したケースがありました。

しかし、言葉の問題、文化や習慣の違い等から、日本人対応の介護は難しい問題があります。

有資格者である看護助手を一日8時間頼むと、支払が600バーツ+ケアマネ的仕事にかかる人件費も負担する必要があります。
これら学校以外でも、他のタイ人高齢者用の介護事業所を通して申し込めば、介護士一人につき月1万5千バーツから2万バーツであります。

彼女達の給与も年々上がっており、年金退職者が、介護事業所を径由して、常時有資格者から在宅介護を受けるのは、費用的に厳しい面があります。

また、看護助手養成学校や介護事業所から紹介してもらった場合には、基本的には介護以外の同居人のための家事などは依頼できないため、両方やってもらいたいという利用者のニーズとは一致しにくい面があります。

いずれにしても、現状では、為替と物価が日本からの退職者に不利益に作用するなか、大病を患い医療や介護が必要になった状態で、チェンマイに住み続けるには高くつく現状です。

費用だけでなく、日本語ができる介護士を日本人退職者コミュニティが把握し、プールしていないことから、常時確保する事が困難になっています。

こうした介護体制の未整備ゆえに、経済力のある永住希望者も帰国し、二ーズが更に縮小し、介護の整備をより遅らせるという悪循環に陥っている構造的問題があります。







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非居住者は日本へ送金できない?

2017年2月に帰国したAさんの話です。

チェンマイの銀行から1月に日本の自分の口座に送金しました。

帰国して、自分の口座を確認した所、銀行から「マイナンバーを提示してください」と言われ慌てました。

市役所に住民登録して「マイナンバーをすぐに発行して」と頼みましたが、「早くても2週間かかる」とういうつれない返事です。

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Aさんは、65歳のとき、チェンマイの気候を気に入り「チェンマイに骨を埋める」覚悟で移住してきました。

日本の住民票を抜いたので、非居住者となりました。

年金機構からの振込はタイの銀行に入金依頼しています。

全財産のタイの銀行口座は100万バーツ(約300万円)を維持して、ビザの更新も楽にこなしていました。

201702265.jpg


しかし、70歳を過ぎた頃から、

糖尿病に罹り、血圧も高く、ロングステイに体力的限界を感じ、日本での治療を決意して帰国となりました。

帰国の際に現金の持ち歩きは危険と思い、

タイの銀行口座で、日本円に両替して、日本の自分の口座に振り込んだわけです。

「帰国後、簡単に預金を引き出せると思っていた」とAさんは言います。




<非居住者による海外送金の条件>

・日本国内の金融機関の本支店に開設された預貯金口座への、国外からの送金であること

・非居住者である(国内に住んでいない)ことを、金融機関に正式に届け出ていること



マイナンバーのない非居住者が日本国内へ送金を行う際には


「非居住者」であることを正式に届け出る必要があります。


(具体的な手続きについては、口座を開設している銀行にお尋ねください。)




◆海外送金にマイナンバーが必要な理由とは?

「そもそも、銀行の手続きにマイナンバーが必要なのはなぜ?」

と疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますが、

その理由は銀行から税務署に提出する法定調書にあります。

マイナンバー制度の導入によって法定調書の書式が変わり、

マイナンバーの記入が必要となったため、

日本の銀行は海外送金などの際にマイナンバーの提示を求めるようになったのです。


なお、マイナンバーの提示が必要となるのは、海外送金だけではありません。

具体的に、銀行との取引においてマイナンバーが必要になるのは下記の通りです。

<マイナンバーの提示が必要となる主な取引>


・投資信託・公共債など証券取引全般

・マル優、マル特p

・財形貯蓄(年金・住宅)

・海外送金(支払い・受け取り)

・信託取引(金銭信託など)




<非居住者の銀行口座>

非居住者の多くは、Aさんのように

日本で持っていた口座をそのまま利用しているのが大半でしょう。

しかし、ほとんどの銀行では、

「日本非居住者」は銀行口座を持てない決まりになっています。

証券口座も同様で株の売買はマイナンバーなしではできません。

銀行の口座は、本来は海外へ出るときに、解約か凍結の手続きをしなければなりません。

マイナンバー制度とは関係なく、非居住者は日本に口座を持てない仕組みなのです。

しかし、銀行から特に確認は無いので、非居住者の大半は継続して利用しています。



厳しい意見として、

201702263

「非居住者は、口座を閉鎖してから海外に行くべきであって、

そもそも自分名義の銀行口座が国内に残っているのはおかしい」

「海外送金以前に、非居住者は、口座を閉じないで海外に行くのが脱法行為だ。」

という意見もあります。

ですが、これを厳格に適用したらどうなるのでしょうか?

非居住者は日本の銀行システムにアクセスする手段が全く無いということになります。

そもそも、日本で決められている非居住者とは範囲が広いです。



非居住者になるパターン

会社の転勤で、自分の意志と関係なく赴任している駐在員も非居住者ですし、

海外ボランティアで派遣されているひと、海外の大学に留学している人、

海外の企業に雇われて働く人、こうした人も非居住者になります。

もちろん日本国政府の在外公館の職員も非居住者です。

チェンマイの日本人高齢者は退職後、

年金だけで暮らしていけなので、やむなく海外で生活している人も多くいます。

これらの人がすべて、海外転出時に、口座を閉鎖してから行けというのは、とうてい現実的ではありません。

海外に転出するなら
「日本とのつながりは、すべて断ってから行け」的

なものになっているというのは、現代にマッチしていません。



迂回送金
日本在住でマイナンバーがある他人(家族含む)の口座に一回振り込み、

そこから再度国内送金してもらうというものです。

誰かに代わりに受けとって貰えばいいから大きく騒ぐ自体じゃないじゃないと指摘していますが、

こういった迂回送金というのはマネーロンダリングと呼ばれる行為そのものです。

マイナンバーの運用により普通の人が迂回送金をするのは、本末転倒でしょう。

また、一定額(110万円)以上を他人名義に振り込むと贈与税の税務リスクも生じます。



海外から送金が本当にできないか?

内閣府・金融庁は

「マイナンバーがないことのみを理由として、金融機関が海外からの送金等を拒否することはない」と発表。

下記の条件に該当する場合、海外送金はできるとしています。

◆現時点で、海外送金を可能にする方法は2つ

本来、日本の銀行口座は“日本国内で生活する人”しか持てず、

海外へ居住地を移す際は口座を解約するのがルールですが、

非居住者の多くは、日本で生活していた頃に開設した日本国内の銀行口座をそのまま利用しているのが現状です。


また、日本の銀行も居住地の確認等を行っておらず、

これまで暗黙のルールで非居住者の海外送金を許可してきたものと思われます。

しかし、マイナンバー制度が開始された現在、

原則としてマイナンバーがないと海外送金できません。

今まで通りに海外送金を行う方法としては、下記の2つが考えられます。

<2016年以降の海外送金を可能にする方法>

1.一時帰国して、マイナンバーを取得する

 まとまった期間、帰国できるようであれば、日本国内に戻り住民票を取得します。

 その後、国が発行したマイナンバーを銀行に提示します。

 「マイナンバーは個人に付けるものなので、一生変わりません」ですが、

 銀行に届け出した後、再び、非居住者になったらどうなるかは確認できていません。

 (読者からの情報をお待ちしております。)


2.金融機関に、非居住者として正式に届け出る

 非居住者として届け出れば、これまで通り海外送金できると

 内閣府は発表していますが、その際の銀行の対応はさまざまで、

 「非居住者口座」の開設が必要になることも。


 また、一定の猶予期間内にマイナンバーの取得が条件となることもあるようです。

 
※現時点で、銀行に「非居住者」として正式に届け出れば、


  今まで通り海外送金を行えるようですが、その対応は銀行によって異なります。



 また、今後の状況によっては銀行の対応が変わる可能性もありますので、

 
詳しくは、口座を開設している銀行に直接、問合わせるのがいいと思います。



2017年1月現在
以下の4つの銀行は、現在口座を持っている人であれば、

2018年末までは猶予期間として送金可能とのこと。

(東京三菱UFJ銀行・三井住友銀行・新生銀行・りそな銀行)



マイナンバーの無い非居住者の銀行口座
※海外送金
  2018年末までは一部の国内居住者用の預金口座、非居住者用口座で利用可能
※預金口座
  2020年末までキープ可能。新規開設も可能
※証券口座
  既に持っているものは2018年末までキープ可能。新規開設は不可

 注意としては、マイナンバー関連のお知らせを確認しておきましょう。

 非居住者は自分が利用している金融機関やサービスの、

 マイナンバー関連のお知らせには必ず目を通しておきましょう。









日本人の国外退去

2016年8月に
チェンマイ在住の日本人が国外退去させられました。


こんな情報を、ある方から寄せられました。

201701262


原因はタイ人妻への暴力で、

タイ人妻が耐え切れずに警察に通報して

日本人夫は警察に収監され、国外退去となりました。

この日本人は、二度とタイに入国は出来ないとのことです。


内容不明で、その日本人に経緯を聞くこともできませんでした。




最近のはタイ国内において

夫のDVや妻のDVが騒がれており

タイ警察もその事実が確認されれば、収監して取り調べ

場合によっては、外国人は国外退去の手続きが取られます。



ある事例

日本人72歳 タイ人妻40歳 結婚歴10年

タイに遊びに来て、チェンマイが気に入り

ロングステイビザを取得(60歳)しました。

その後、日本語が少しできるタイ人と知り合い62歳で結婚しました。


600万バーツ(約1,800万円)でチェンマイ市内に

彼女名義で家を購入、ベンツを2台購入して

安心して一生をこの地で過ごすつもりでいました。



それから10年経って

脳梗塞を患った日本人夫は右半身がききません。

「毎日イライラの日々となり」夫婦喧嘩が多発するようになりました。


この男性は「頑固で亭主関白」だったようで、

タイ人妻にもつらく当たり、口汚く罵ることが多く

物を投げつける日もありました。


そんなある日、

物を投げられ頭部に当たりました。

医者で治療したあと、身の危険を感じて

タイ人妻は警察に行き事情を話しところ

その日のうちに、日本人夫は逮捕収監されてしまいました。


警察と入国管理局が出した答えは

「国外退去」です。


慌ててタイ人妻は役所に掛け合い

「嘆願書を作成」「知り合いの警察官」などに頼み込んで

この日本人夫の国外退去を阻止することができました。

201701261



その時の条件は

*二度とタイ人妻にDVをふるわない

*もし、今回と同じことをしたら、即国外退去


を言い渡され、誓約書を書いたそうです。



タイ人妻からの相談例

日本人夫の介護のために

タイ人妻の弟を頼みました。


日本人夫は78歳で最近物忘れが激しく

おそらく、アルツハイマー型認知症の初期症状と思われます。

糖尿病で椅子に一日中腰かけています。

しかし、突然大声を上げたり、暴れることがあり、

怖くて、その結果、弟を呼び寄せ二人で看病を始めました。


しかし、夫はこのことが面白くなくていつも怒っているそうです。

お手伝いのタイ人女性を雇ったこともあるが

定着率が悪く、夫に睨まれるのが怖くて、一日で逃げ出したお手伝いもいたそうです。


日本人夫には、日本に身寄りもなく

どのように今後したらよいのかを相談されました。

読者の方でしたら

どのようにアドバイスされますか?





上の事例に近いことは、耳にすることが多くあります。

タイ人妻を持つ日本人は

ここがタイであることを忘れてはいけません。

私たちは招待状をもらってタイに住んでいるわけではありません。

タイに好きで来て、好きに暮らしているわけで、

不満はあっても我慢をしなくてはなりません。

極論を言えば、「嫌であれば出て行きなさい」です。



この地を日本と比べれば

インフラもタイ人の学力、計算能力など劣ります。

時間にもルーズだし、タイ語を勉強しない日本人は住みにくいはずです。


日本と比べることを卒業しなければ

住みよい地は一生涯見つからず、幸せも寄ってきません。