穏やかな死を迎える

「多死社会」になった日本

クローズアップ現代より
“穏やかな死”を迎えたい ~医療と宗教 新たな試み~

去年(2015年)1年間で亡くなった人は、130万人。
日本は多死社会に突入したと言われています。

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余命わずか “穏やかな死”を迎えたい

そんな人のケアをする「臨床宗教師」の存在があります。

2016年8月の動画です

NHK クローズアップ現代

臨床宗教師 野々目月泉さんは言います
 「口に出して宗教、信心はないとおっしゃってるけれども、
 どこかすがりたい何かがあったり、そういうものがあるのではないかと。
 大きなものとつなぐ役割ができたらいいなと。
 それは私の信じるものに必ずしもつなぐ必要はなくて、
 その方がすがりたい何かにつなぐ役目だと思っています。」





現代の最大の迷信、
科学で解明できないものはない

そろそろ、目を覚ます時期が全ての人に訪れている気がいたします

誰もが持っている自分なりの死生観があります

臨床宗教師の役割は、患者の言葉を手がかりに理想の死のイメージを探ることだそうです


「死は、悪いこと、生者に対しての裏切り」
とみる現代の人たちは、
「死んだら何もなくなる、無になり暗闇しかない、あの世はない」と信じています

平均寿命が世界一となり、
「いかに長く生きるか」ばかりが注目される日本において
「いかに死ぬか」という死生観の尊重されるべきではないでしょうか

死というのは悪いことではない、そんな観点に立つと

世の中の人の、
死というものを特別なものとして
そういうものを見ないように避けて通っているのが崩壊します

親しい人の死が身近に見られない
今の世の中は、ちょっと不幸な時代になったのかな?






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笑ってほめて認知症介護

認知症
この言葉を聞くだけで切ない思いがするのは私だけでしょうか?

去年、出版された
「娘になった妻、のぶ代へ」(双葉社)も壮絶な老老介護が語られています

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その本はご存知の方も多いと思います
認知症を公表した声優の大山のぶ代(83)の夫で俳優の砂川啓介(79)が著者です

発症後は姿を見せていない大山さんの写真と、介護日記を初公開
徘徊、幻想、排せつなどキレイごとではない老老介護の実態を、
赤裸々に描いている本です

その内容は凄絶
徘徊、幻覚、排せつなど認知症介護の現実を
「グニャリとした感触が足元を襲った。便は床にこびりついていて上手に取れない」などと生々しく詳述


「“愛さえあれば乗り切れる”というような単純なものじゃない」
「ペコを道連れに死んでしまったほうがラクなのかもしれない…」と苦悩も告白
2700日にわたる「介護日記」のノートも原文のまま24ページ載せている

砂川さんは筆を執った理由を
「僕たち夫婦が2人きりで歩いてきた半世紀。たとえ彼女が僕のことを忘れてしまっても、夫婦で過ごした日々が永久に残るように」と説明。「“姉”であったはずのカミさんが今では娘のよう」との思いをタイトルにした 

2016年6月5日に
大阪市内であった講演会で、いまは老人ホームで暮らす妻を思い、
「この年になって、愛を感じさせてくれた」
と語った砂川さんは自身が尿管がんと診断され、
その治療を機に大山さんが老人ホームに入所したことを初めて明らかにした

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日々実践するよう心がけていることは
笑うこと、ほめること、触れ合うこと
――と佐川さんはいいます


 
大山さんは2012年、アルツハイマー型認知症と診断された。
砂川さんは旧知のマネジャーらの力を借りて介護を続ける。

ショックというか、この先どうしたらいいかと。
それまでカミさんのことを人生の先達くらいに思っていた。
その時から、僕は絶対に先に死ねないと思うようになった。
彼女が認知症になったと言いたくなかったし、知られたくなかった。
でも、彼女のために一生懸命やればやるほど、こっちがおかしくなってくる。

人に言わないでいることがつらかった。
親友の毒蝮(どくまむし)三太夫に相談したら、1人で介護なんてできるわけない。
しゃべった方がいいと言われた。(2015年に)ラジオ番組で公表した。

人に喋ったらとても楽になった

介護をすることになり、それを一人で背負ってしまったことは自分の中では反省点という







日本の老人ホ-ムの問題点

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   日本の老人ホ-ムの問題点      
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厚労省は、団塊の世代が全員75歳になる2025年には、介護職員が約37万7千人

不足すると推定しています。

安倍政権は「介護離職ゼロ」の目標を掲げていますが、

現状では介護職の離職すら減らすメドは立っていない状況です。

転落死や虐待が問題となっている川崎市の介護施設では

常勤職員数は29人で、2014年度の退職員数は18人、6割ほどの人が入れ替わっています。
(2013年度は22人が退職。)


神奈川県の40代女性の祖母は、入居費用、月額25万円の有料老人ホームに入居しているが、

その部屋を訪れた時のショックは忘れないという。

認知症の祖母が着ていた衣類や寝具には、便がこびりついていた。

トイレの便座、手スリも便で汚れていた。

洗面台に水垢とカビ、テレビ台にはホコリ、ナースコールを押しても反応はなかった。

暑い季節だったが窓は閉め切られ、エアコンもついてなかった。

これらの事を指摘すると「すぐ確認します」という返答があった。

気になり、翌日に再訪問すると、祖母は、前日と同じ汚れた服を身に付け、

部屋も清掃されていなかった。

施設側は「人手不足で、対応できませんでした」と平謝りだった。

息子である父親の年金も投じた祖母の終末の棲家は、この様な状態であった。

東京都内の有料老人ホームで介護職員として働く50代の女性は

「人手不足で、放置と言っても過言でない状況が常態化している。

質の良い介護などしたくてもできない。

それが月30万円近くを入居者から受け取る有料老人ホームの実態です」と打ち明ける。

介護職員による虐待件数が急増している。

厚労省によると、

2013年度に自治体が介護職員による虐待と認定したのは221件。

施設別で最も多かったのは特別養護老人ホームの69件、有料老人ホームは26件だった。

自治体が受けた相談や通報は、計962件に上った。

介護現場の人手不足は深刻です。

15年8月の有効求人倍率は全体の1.23倍に対し、介護分野は2.67倍です。

その理由に待遇の悪さも指摘されています。

全産業の平均月給が33万円であるのに対し、

介護職員の平均月給は約22万円と11万円ほど低くなっています。

従って平均勤続年数も、全産業の半分以下の5.7年。

1年間で辞める人の割合は、全産業(常勤)より3割多い16%に上る。

人手不足で、経験の乏しい職員で穴埋めせざるを得ないのが現状です。


介護職員が虐待をしてしまうまで追い込まないよう、専門技術の習得は必須だが、

労働環境が整っていないのが最大の原因ではなかろうか。

厚労省が虐待の発生要因を自治体に調査すると、

職員のストレスや感情コントロールの問題が26%を占めている。

虐待の背景には何があるのか?

施設の急増に、人材確保と行政の指導力が追いついていない。

特に異業種からの民間参入が目立つ有料老人ホームの数は、

14年には9581件あり、この10年で約10倍になっている。


チェンマイ介護研究会SCCニュ-スの11月度に特集「日本の医療、介護を考える」の中で、

その2「スウェーデンの医療、介護」の状況を掲載しました。

スウェーデンでは、介護分野を安定した職場とするために、

介護福祉に携わる人材の確保に努めています。

介護士を公務員として雇用しており、その数は、

例えば3万人の自治体に2,300人の自治体職員がいて、そのうち400名が介護福祉士です。

在宅介護を薦め、要介護者の自宅に一日5回、6回と通い、

トイレ掃除、ベットメイク、生活の補助を短時間で行い、次の家庭を訪問するようにしています。

介護される本人の意思が一番大事にされ、人間としての尊厳、権利を守る行政が執られています。


昨年4月厚労省が介護保険法を改正し、「地域包括ケアシステム」として

小規模施設が市町村の管理下におかれることになりましたが、

更に地域格差が広がる恐れがあります。

特に小規模の施設は経営が苦しくなりますので、

この移行は、さらに虐待などの問題に追い討ちを掛ける恐れがあります。



有料老人ホ-ム選びをする時には、次のことに注意しましょう!

1.建物の外観がきれいでも、内部の介護の質は判りません。先ず見学をして泊まり、食事する。

 1ヶ所だけを見に行くのではなく、複数を比較する。あせって選ばない。

2.職員が笑顔かどうか。配膳がぞんざいでないかなどに注目。

3.ネット上で公表されている「介護サービス情報公表システム」を活用する。

 有料老人ホームなど施設、地域、サービス種別に検索できるので、

 介護職員に関する項目のうち「退職者数」、「経験年数」を調べる。


SCCニュース第7号より




日本の老人ホ-ム、介護施設の費用、料金

◇老人ホ-ム、介護施設の費用、料金◇

日本において老人ホームをはじめとした介護施設に入居するのに、

料金、費用がどれくらいになるのか気になる方も多いことでしょう。

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホームなどの

介護施設の種類、また入居予定者の要介護度や健康状態により、

入居時にかかる費用や月額で必要になる費用が異なってきます。

また自治体によっては補助金が出たり税金の控除があったり---と、その仕組みはかなり複雑です。



< 有料老人ホ-ムの費用の目安 >
 
( 種類 )      ( 入居金 )       ( 月額利用料の目安 )
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 介護付有料老人ホ-ム  0~1億円
 
 住宅型有料老人ホ-ム  0~1億円      12~40万円

 健康型有料老人ホ-ム  0~数千万円以上

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これらの施設の特徴は、一般的には終身利用権方式といわれる契約方式で、

入居一時金と月額利用料、介護保険1割自己負担額、その他が必要になる。

近年では、入居時に入居時一時金が0円になる代わりに

月額利用料が比較的高めに設定されているプランが増えつつある。



< その他民間施設の費用の目安 >

◎サービス付き高齢者向け住宅  
入居金:敷金として家賃の2~3ヶ月   
月額 :5~25万円

◎グループホ-ム             
入居金:10~100万円         
月額 :12~20万円

* 「サービス付き高齢者向け住宅」は、賃貸借方式といわれる契約方式が多く、

一般的な賃貸契約と同様に入居時に敷金、礼金や前払い賃料などが必要になる。

月額利用料には、賃料、管理費、食費、水道光熱費などが含まれる。

* 「グループホーム」は、認知症高齢者が共同生活を営む施設。

入居時には介護付、住宅方有料老人ホームなどと同様に

入居一時金が必要になる場合が多く、ある程度の初期費用がかかる場合がある。

部屋は広くない場合が多く、家賃負担が軽い場合が多い。


< 公的介護施設の費用の目安 >
 
◎特別養護老人ホ-ム           
入居金:0円               
月額 :7~15万円

◎介護老人保健施設            
入居金:0円                
月額 :8~17万円

◎介護療養型医療施設          
入居金:0円                
月額 :8~17万円

◎ケアハウス              
入居金:0~数百万円            
月額 :8~20万円

* 「特別養護老人ホーム」は、介護保険施設といわれる料金形態の施設。

月額利用料の内訳は、介護保険料1割自己負担、賃料、食費、その他の費用が必要。

所得等に応じて居住費、食費が減額される場合あり。

* 「介護老人保健施設」は、公的な老後施設。

家賃、管理費も、低額に抑えられている。

但し、医療ケアやリハビリなどの費用は別である。

* 「介護療養型」は、低額で利用できることがメリット。

ただし、医療ケアが必要な方のための施設であるため、医療費負担が必要となり、

他の介護保険施設より利用料が高くなる傾向にある。

* 「ケアハウス」の特徴は、自治体の補助によって低額で入居できる公的な福祉施設。

しかし、介護型となるケアハウスは数百万円の入居一時金がかかるケースも珍しくなく、

それなりの出費が必要になると考えておくべき。


SCCニュース第6号より





日本の介護サービスの地域格差 その2

◇日本の介護サービスの地域格差◇
  
前月号の概略説明
~~~~~~~~~~~~~~~~
介護保険料は自治体により、3.1倍の開きがある。

特に、「デイサービス」利用者が多く、その為に小さな通所介護施設が急増し、国の財政を圧迫している。

今年度の介護保険法改正により、これら小規模施設が市町村の管理下におかれることになり、

更に地域格差が広がる恐れがある。その要因は、「介護保険制度の仕組み」にある。

< 介護保険料の格差 >

介護保険の財政は

「公費(国+都道府県+市町村)」+

「40歳以上の国民が負担する介護保険料」で1/2ずつ負担する構成で成り立っています。

40~64歳の介護保険料は、健康保険料に上乗せし、全国ベースで算出されるので地域格差は生じません。

一方、65歳以上の第一号被保険者は、

居住地域の介護費用や高齢者数などで保険料が決まるため格差が出てきます。

保険料から地域格差が始まります。


< 要介護認定率にも地域格差がある >

要介護認定の1次判定は、全国一律のソフトを導入して行いますが、

2次判定は各自治体の介護や福祉の専門家によって実施されるため、

そこに格差が生じます。

基本的に75歳以上の後期高齢者の人数が多い地域は、要介護認定率も高くなる傾向にあります。

介護保険改正により、要支援者のサービスは今後「地域支援事業」に移るため、

市町村の懐事情によって、今まで受けられていたサ-ビスが受けられなくなる可能性が出て来る不安があります。


< 小規模施設の経営は苦しくなる >

この改正法で、小規模型通所介護は介護報酬が10%引き下げられ、すでに厳しい状況です。

さらに「地域密着型サービス」の移行は、さらに追い討ちをかけ、小規模事業者は苦しくなります。


< 介護予防の推進 >

通所介護の費用額は、2006年度から毎年約1,000億円ずつ増加しています。

このまま推移すれば、将来的に社会保障費の財源確保が困難を極めるのは明らかです。

今以上地域格差を拡大させないためにも、いずれ介護保険制度の抜本的な見直しが必要になるでしょう。

そのためにも、当面の打開策としては、地域ぐるみで積極的に介護予防に取り組むことが大切になります。

また、自立支援や認知症予防など、一人一人に適したサービスを提供すべきです。

介護予防の取り組みは功を奏すれば、介護費用の軽減につながります。

政府としては、小規模デイサービスの管理を市町村に丸投げするのではなく、

各自治体の運営を把握し、サポート体制を整えていく必要が望まれるところです。


SCCニュース第6号より




日本の介護サービスの地域格差

◇ニッポンの介護サービスの地域格差◇

介護保険は以前から保険料、施設数、認定率、サービス内容など地域格差が社会問題になっています。
  
自治体によって月額6,000円近くにもなる保険料の差があります。

2015年の厚生労働省のデータから、65歳以上の月額の介護保険料を比較した場合、

最も低額な鹿児島県の三島村が2,800円、最も高額な奈良県天川村が8,686円となっており、約3.1倍の開きがあります。
  

厚生労働省の発表では、

「介護保険利用者の約3人に1人がデイサービスに通っている」とされ、利用者は年々増える一方です。

デイサービスの過剰な提供が需要を押し上げる原因になっていますが、

その背景には小規模な通所介護施設が急増していることがあります。

デイサービスの利用者増が国の財政を圧迫していることもあり、

2015年の介護保険改正でデイサービスの是正を図ることになりました。

しかし、今回の見直しで気になるのは、これらの小規模施設は市町村の管理下におかれ、

「地域密着型サービス」に移行される点であります。



デイサービス利用者数の推移 (単位:万人)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2001年  65.1
   *
   *
   *
2008年  120.9
2009年  129.1
2010年  137.4
2011年  148.4
2012年  160.0

市町村がデイサ-ビスの事業者を指定、監督するとなれば、

今まで以上に格差が広がる恐れがあります。



<デイサ-ビスの実態と問題点>
  
「デイサービス」という名称の通所介護は、

介護が必要な高齢者を車で介護施設に送迎し、食事や入浴、機能訓練などの

サ-ビスが受けられる点で高い人気があります。

介護度の軽い人も手頃な料金で利用でき、「預かり介護」としてのメリットもあるので、

全国におけるデイサービスの利用者は1ヶ月間で約160万人(2012年)に及びます。

利用者増に伴い、民間企業の参入が増え、小規模型通所介護施設の乱立も目立ってきました。

こうした施設の中には、夜間に介護保険適用外で「お泊りデイサービス」を行っている所も多く、

国庫の負担が増え続ける状況に政府が難色を示し始めました。

そうして、今回の介護保険改正で1ヶ月当たりの平均利用延人数が300人以下の小規模型施設に関して、

市町村が事業者を指定し、管理を行うということになりました。

小規模な通介護施設は「大規模型 通所規模型のサテライト型事業所」、

「地域密着型通所介護」、「小規模多機能居宅介護のサテライト型事業所」と

三つの事業所に移行され、地域に密着したサービスの提供と安定した

運営を目指すことになりました。
  
しかし、「地域密着型の通所介護」というと、なんとなく聞こえは良さそうですが、

小規模な通所介護施設を市町村の管理下に置くとなれば、

各自治体の財政状態によって介護施設の数やサービスの質などの点で

今以上に格差が出てくる恐れがあります。

この要因は、「介護保険制度の仕組み」自体に格差を生む構造になっているからです。


SCCニュース第5号より